院長コラム › タイの鉄道①

タイの3輪タクシーは、現地で「トゥクトゥク」と呼ばれている。

ダイハツミゼット3輪の2気筒エンジンの音は、日本人には「バタバタ」と聞こえた。半世紀前、私が小学生の頃だ。オート3輪は「バタバタ」と称していた。

あのエンジン音がタイ人には「トゥクトゥク」とまろやかに聞こえるらしい。

聴覚機能には民族差はないが、文化差が認識差となるようだ。

タイも近代国家をめざし、鉄道網を整備しつつある。太平洋戦争でタイを占領した日本軍は物資輸送のため、タイのノンプラドックからビルマ(ミヤンマー)の

タンビュサヤまで全長415キロの泰緬鉄道を完成させた。

英軍捕虜を鉄道建設の強制労働に動員し、犠牲者が大勢出た。この鉄道のことは、アカデミー賞受賞映画『戦場に架ける橋』で世界的に有名になった。

アレックス・ギネスが出演している。『スターウォーズ』のベン・ケノービ役の俳優さんだ。残念ながらとゆうか、当然ながらとゆうか、ライトセーバーで日本兵を斬らず、フォースも使わない。名作にはちがわないが、映画は史実と異なり、脚色されている。

(つづく)