院長コラム › タイの鉄道②

泰緬鉄道建設は難工事の連続だった。日本軍は短期間での完成を急いでいた。突貫工事を人海戦術で行った。無理で無謀だ。

英軍捕虜だけでなく日本人にも大勢の死傷者が続出した。大半は栄養不足と伝染病だった。飲まず食わずの過重労働だった。

敗戦後、捕虜虐待で戦犯となり処刑された軍人が多数でた。

タイの経済成長とともに鉄道も蒸気機関車から電車へと進展した。1990年代のタイは、ドイツのシーメンスが受注した。21世紀に入って、日本が受注した。ボンバルディア、アルストム、シーメンスが3大鉄道メーカーと称されている。

最近では、中国が受注している。中国は政治工作をからませ受注競争に参入する。タイは日本と中国を両天秤にかけより有利な条件を競わせる。

タイはしたたかタイ。

2016年開通のパールラインは、丸紅、東芝、JR東日本の連合体。2020年開通予定のレッドラインは、住友商事、三菱、日立の連合体だ。

この組み合わせがどうして決まったのか?手がかりを探していくと、『日本鉄道システム輸出組合』があることを初めて知った。

また、『イノトランス』国際鉄道技術見本市が2年に1度偶数年の9月にベルリンで開催されることも初めて知った。鉄ちゃんの祭りだ。

いや~、鉄道の世界は深い。政治、経済、技術、歴史、文化の総合的な理解が必要になる。