院長コラム › 一般大衆層と知的階級層について(その2)

では、一般大衆層が持つ常識を疑い、社会風潮に逆らうことになっても真実をもとめ自分の頭で考え続ける人たち、知的階級層の住人はどこにいるのか?野の賢人はどこに潜んでいるのだろうか? 

日本社会では、大学とお笑い芸人の中にいるのではと私は思っている。 

2012年『文部科学広報』第157号に北野武と森重文京大教授(数学者.フィールズ賞受賞)と西成活裕東大教授
(数理物理学者)の天才三人の座談記事が載っていた。ハーツホーン予想もマルコフ過程も私には何のことか全く解らないが、三人とも新発見の喜び、新発想の楽しさ面白さの方向性は同じだった。

あるいはアメリカ社会では、ジエイムズ.オーウエン.ウエザーオール著『ウオール街の物理学者』が一つの答えになるかもしれない。

1988年、物理学者ジェームズ.シモンズと数学者ジェームズ.アックスの二人は共同でファンド会社ルネサンス.テクノロジーズを設立した。社員は従来の金融専門家を排除し、物理学者、数学者ばかりを雇用した。予測不可能とされる株式市場を物理学、数学の最新理論を駆使し予測しようとした。現在まで26年間、膨大な利益を上げている。

リーマンショックで倒産した金融会社が多い中、その会社はへこまず利益を増やし続けている。
              
                                       (この稿未完)