水玉模様のかぼちゃが十数個吹き抜け空間に浮かんでいた。まさか銀座で、草間弥生さんのオブジェに出会うとは思わなかった。銀座6丁目のGSIXがオープンしたのでいそいそと出かけたのだ。
「立ち止まらないで下さい」と係員がハンドマイクで連呼している。見上げると水玉模様のかぼちゃがのんびりと浮かんでいた。意図的に人々を立ち止まらせる演出が、大群衆過ぎて立ち止まると渋滞を招く。それでも立ち止まりケータイで撮利まくる人人人・・・。久しぶりに、日本人の好奇心の健在ぶりを見た。
かつて、草間さんは知る人ぞ知るの前衛芸術家で一部のマニアが評価していた。今や、六本木の国立新美術館で作品展が開催され、国民的人気となっている。草間さんは何も変わってなく、時代と社会が変わったようだ。
彼女を統合失調症(当時は分裂病)と診断した精神科医は,彼女の芸術の才能も見抜いていた。
GSIXはデパートの進化形ではなく、銀座らしさの再発見だと私は認識している。
関東大震災で全滅した銀座の復興は、震災後の銀座に出店したデパートと関西資本を中心とするキャバレー街が
昼夜を問わず商圏を拡大したことが成功の要因だ。
やがて、軍靴の足音が大きくなり、ハイヒールの足音やジャズのメロディーが消えてゆく。
さて、2017年の時代はどう変化するのだろうか。