1994年（平成6年）6月4日、とべ動物園での動物歯みがきイベントが始まった。
第1回目は『カバさんと歯をみがこう』だった。以降、イベント発案者の私がタイトルを考えている。
当時の園長、故山崎泰先生から面白いイベントにしましょうとはっぱをかけられたせいか、もともと面白がりの私の血が騒ぐためか、以降毎年5月の連休は、この作業に集中している。
今年の連休もイベントタイトルと伊予市、松前町、砥部町管内に配達される新聞チラシのイラストのアイデアを練った。
21回目の動物が、ポニーになったと動物園から連絡があったのが、4月14日だった。直ちに腹案をいくつか考え、デザイナー氏と打ち合わせをする。そのデザイナー氏は中学校からの同級生だから、打ち合わせといっても9割9分がバカ話、ヨタ話となる。
「今年の干支は馬だからポニーになったようだよ。う、ま、いいか。」
「歯みがきウマ~イじゃあ、チョー、ベタでしょう。」
「アハハ、それＡ案にしょうか。β案でもいいよ。」
「ポニーはポニーテールだよね。かわいい女の子を登場させよう。ＡＫＢの秋元康の気分かな。50年代のアメリカンポップスのテイストを入れようか。」
「白い歯とポニーテールに胸キュンさ。おっ、５７５になった。よし、これでいこう。」
還暦過ぎたおじさん二人はすっかり中学生の気分にタイムスリップしていた。
（つづく）