高速道路が大渋滞している。全く前へ進めない。人々は動かない車から路上へ飛び出し、自ら動き踊り始める。
次々と外へ出て踊りだす。たちまち、高速道路は大群衆のダンスシーンの舞台と化す。
そして、タイトル『 LA LA LAND 』圧巻の見事なファーストシーンだ。
渋滞のような非人間的な現実状況から、どうすれば人間らしさを取り戻せるのか?デミアン・チャゼル監督が出した一つの答えが、夢を見ること。絶望しないで夢を見続けることだ。そして、声を出し歌い、体を動かし踊ること。
それは、ハリウッドが提供し続けているミュージカル映画のマジックでもある。
クヨクヨせず、カラ元気でもいい、明るく楽しくいこうぜだ。これが、アメリカンエンターテインメント、ショービジネスだ。
ファーストシーンもいいが、ラストシーンもまた見事だ。すべてを肯定して微笑みを交わす彼(ライアン・ゴズリング)と
彼女(エマ・ストーン)に私は泣いた。
還暦を過ぎたポンコツ親爺のこの私が、ボーイミーツアガールのありふれた恋物語のミュージカルに共感の涙を流すなんて。
ラ・ラ・ランドはハ・ハ・ハリウッドマジックだ。
映画を観続けてきてよかった。才能ある人たち、監督、脚本家、俳優に出会え私は元気をもらえるから。